製造現場の初期導入を変える、ロボットレンタルという選択肢
保有地・遊休地を電力インフラ用途として見直すために、土地条件・系統接続・事業スキームを初期整理する

不動産デベロッパーにとって、保有地や開発予定地、遊休地をどのように活用するかは重要なテーマです。住宅、商業施設、物流施設、ホテル、駐車場、太陽光発電など、土地活用にはさまざまな選択肢がありますが、近年は新たな選択肢として系統用蓄電池への関心が高まっています。
系統用蓄電池は、電力系統に接続し、電気を充電・放電することで、電力需給の安定化や再生可能エネルギーの導入拡大に関わる設備です。不動産デベロッパーにとっては、従来の建物開発とは異なる「電力インフラ型の土地活用」として検討できる可能性があります。
実際に、電力広域的運営推進機関が公表している2025年度第1四半期の系統アクセス業務に関する資料では、接続検討の受付件数が前年度同時期と比較して大半のエリアで増加し、特に東北、東京、中部、九州で増加したと整理されています。また、電源種別では前年度に続き、蓄電池の比率が最も大きいとされています。
一方で、系統用蓄電池は「空いている土地があればすぐに事業化できる」というものではありません。土地条件、周辺環境、設備配置、系統接続、工事費、事業パートナー、収益性、補助金、社内の投資判断など、複数の論点を整理する必要があります。
そのため、不動産デベロッパーが系統用蓄電池を検討する場合、最初に行うべきことは、詳細な事業計画を作ることではなく、自社の土地が候補地として検討対象になり得るかを初期整理することです。
不動産デベロッパーが系統用蓄電池を検討する理由は、土地活用の選択肢が広がるためです。
従来の不動産開発では、土地の価値は主に立地、容積率、用途地域、賃貸需要、開発規模、出口戦略などによって判断されてきました。しかし、系統用蓄電池の場合は、建物用途としての立地価値だけでなく、電力インフラとの関係や設備用地としての使いやすさも重要になります。
たとえば、住宅や商業施設には向きにくい土地でも、一定の面積があり、周辺環境との相性が良く、設備配置や系統接続の検討余地がある場合には、系統用蓄電池の候補地として見直せる可能性があります。
特に、以下のような土地は検討対象になりやすいです。
デベロッパーが系統用蓄電池を検討する場合、まず行うべきことは、保有地や関係地の棚卸しです。
すべての土地を詳細に検討する必要はありません。まずは、系統用蓄電池の候補地として可能性がある土地を大まかに絞り込むことが重要です。
初期段階では、以下のような情報を整理します。
この段階では、詳細な収益計算よりも、まず「候補地として残すべき土地」と「優先度が低そうな土地」を分けることが重要です。
系統用蓄電池を検討するうえで、不動産開発と大きく異なるのが系統接続です。
通常の不動産開発であれば、土地条件、建築条件、需要、賃料、建設費、出口戦略などが主な論点になります。一方、系統用蓄電池の場合は、電力系統に接続して充電・放電を行うため、接続先となる電力インフラ側の条件が事業化に大きく影響します。
経済産業省の資料では、系統用蓄電池の系統接続に関して、放電側だけでなく充電側の扱いも重要な論点として整理されています。順潮流側、つまり充電側では系統接続において容量確保が求められる場合があり、系統接続までの期間が長期化する要因になることがあるとされています。
つまり、土地としては良さそうに見えても、系統接続の条件によっては事業化の難易度が大きく変わる可能性があります。逆に、不動産開発としては目立たない土地でも、電力インフラとの関係を整理することで、候補地として検討余地が見えてくる場合があります。
デベロッパーが初期段階で確認すべきなのは、接続可否を断定することではありません。まずは、接続検討に進む場合に何が必要になるのか、どの関係者に相談すべきか、社内でどの程度の情報を整理しておくべきかを把握することです。
系統用蓄電池を検討する場合、最初から「自社で事業主体になる」と決める必要はありません。
不動産デベロッパーの関わり方には、いくつかのパターンがあります。
重要なのは、最初から事業スキームを固定しすぎないことです。まずは土地条件と事業化論点を整理し、そのうえで、土地賃貸、共同事業、事業者紹介、候補地売却など、どの関わり方が現実的かを検討する方が進めやすくなります。
デベロッパーが系統用蓄電池を検討する場合、社内での説明も重要になります。
系統用蓄電池は、従来の不動産開発とは異なるため、社内で理解されにくい場合があります。建物を建てて賃料を得るモデルとは異なり、電力インフラ、制度、系統接続、設備投資、事業パートナーが関係するためです。
社内検討に上げる前に、以下の論点を整理しておくと話が進めやすくなります。
このように論点を整理しておくことで、「面白そうだが、何から始めればよいか分からない」という状態を避けやすくなります。
系統用蓄電池を検討する際、多くの企業が気にするのは収益性です。これは当然重要です。
ただし、初期段階では収益性を細かく計算する前に、検討コストを抑えながら候補地を絞り込むことが重要です。
系統用蓄電池事業では、設備投資、系統接続、工事費負担金、運用保守、電力市場、補助金、アグリゲーション、金融機関との調整など、複数の要素が関係します。さらに、長期脱炭素電源オークションの実務資料では、電源等情報登録時に接続検討回答書を提出できない場合、参加資格通知書の発行ができず、応札に参加できないとされています。接続検討申込から回答書発行までには一定期間を要するため、制度活用を視野に入れる場合も、早い段階で準備が必要になります。
そのため、最初から詳細な収支計画を作り込むよりも、まずは以下のように段階を分けて進める方が現実的です。
このように段階を分けることで、最初から大きなコストをかけずに、候補地としての可能性を見極めやすくなります。
系統用蓄電池は、電力インフラや再生可能エネルギー政策と関係するため、補助金や制度動向の確認も重要です。
資源エネルギー庁では、令和7年度補正予算として「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に関する公募情報を公表しています。これは補助金の執行団体に関する公募ですが、系統用蓄電池等の導入支援が政策テーマとして扱われていることが分かります。
ただし、補助金があるからといって、すべての土地が事業化できるわけではありません。補助金はあくまで事業化を後押しする要素の一つであり、土地条件、系統接続、設備計画、事業スキーム、事業者の体制が整っていることが前提になります。
デベロッパーとしては、補助金ありきで検討するのではなく、まず土地としての可能性を確認し、そのうえで制度や補助金を活用できる余地があるかを見る方が現実的です。
不動産デベロッパーが系統用蓄電池を検討する際に重要なのは、いきなり事業化を決めることではありません。
まずは、保有地や遊休地について、系統用蓄電池の候補地として検討余地があるかを整理することです。
特に重要なのは、以下のような整理です。
この入口整理ができていると、外部事業者との情報交換や社内検討が進めやすくなります。逆に、土地情報や検討目的が曖昧なまま相談すると、話が広がりすぎて、具体的な判断につながりにくくなります。
株式会社Asset Marsでは、不動産デベロッパー様、土地所有者様、物流施設・工場跡地・遊休地を保有する企業様向けに、系統用蓄電池候補地の一次診断・スクリーニング支援を行っています。
当社では、保有地や遊休地について、土地条件、周辺環境、設備配置のイメージ、系統接続に向けた初期確認項目、事業化に向けて次に整理すべき事項を確認し、検討の入口となる情報をまとめます。
当社の支援は、事業化や系統接続を保証するものではありません。あくまで、初期段階において「この土地に検討余地があるか」「どの点が懸念になりそうか」「次に誰へ相談すべきか」を整理するための支援です。
住所、概算面積、現在の利用状況、周辺環境が分かる資料があれば、詳細な計画が固まっていない段階でも初期相談は可能です。
保有地・遊休地の新たな活用方法として系統用蓄電池に関心がある場合は、まずは情報交換からご相談ください。