リアルタイム推論と現場連動が拓く、次世代DX

AIが本気を出す場所はエッジにある

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Jul 2, 2025

■ 「学ぶ場所」と「動かす場所」は違う

AIの実装が進むなかで、多くの企業が気づきはじめています。

「クラウドに全部投げても、すぐに動けない」
「データは山ほどあるのに、使えるタイミングが遅すぎる」
「ネットが不安定な現場では、止まることもある」

そう、AIはクラウドで“学習”するもの。でも、“実行”する場所は、もっと現場の近くにあるべきなのです。

その答えが、「エッジ×AI」。つまり、現場のそばに小型のエッジデータセンター(Edge DC)を置き、そこでAIがリアルタイムに動くという構造です。これは決して未来の話ではなく、今まさに多くの企業が導入を始めている“現実解”なのです。

■ エッジに置くと、AIはこんなに変わる

AIは、実は「動作速度」「応答性」「連携力」に非常に繊細です。どれだけ高精度なモデルをクラウドで構築しても、応答に数秒かかれば、現場では“使えない”と判断されてしまいます。

たとえば:

  • 工場の製品検査で、異常品をすぐに仕分けたい
  • カメラ映像を使った人物・車両の自動認識
  • 倉庫ロボットの動線を“今の混雑状況”に応じて調整したい
  • センサー値の異常を検出した瞬間に装置を止めたい

こういったシーンでは、クラウドまで通信していたら遅すぎるのです。

エッジなら、現場の隣でAIが処理し、即時に判断・出力できます。しかも、カメラ・センサー・ロボットなどとLANレベルで密接に連携でき、ネットワーク断絶時にも“動き続ける”構造が作れます。

物流倉庫では、エッジAIによってピッキングミスを即時検知し、ミスを未然に防ぐ仕組みが構築されつつあります。製造工場では、わずかな機械の異常振動をリアルタイムに判断し、故障を防止する取り組みが始まっています。エッジでのAI処理は、単なる高速化にとどまらず、“現場の安全と効率”を守る新たな仕組みとなっているのです。

■ なぜ今、エッジDC×AIが現実的になったのか?

以前は「AIを現場で動かすなんて高すぎて無理」と言われていました。しかし、今は状況が大きく変わっています。

  • GPU搭載の小型サーバーが安価に
  • 推論専用チップ(例:Jetson、Movidius)が普及
  • 熱処理・騒音対策済の“静音型DC筐体”の登場
  • 5Gやローカル5Gとの併用が進展
  • エッジAI向けの軽量モデル(TinyML、DistilBERTなど)も充実

つまり、エッジでAIを動かすコストも手間も、大きく下がったのです。

また、国策としてもスマートファクトリー、スマート物流、災害対応ネットワークなどの分野で「エッジ×AI」構成が推奨されており、補助金・支援制度の活用も進んでいます。

再エネや蓄電池と組み合わせることで「電力の地産地消型AI処理」も現実のものになり、脱炭素やBCP対応にも貢献できる次世代型インフラとして評価が高まっています。

■ Asset Marsが描く「現場駆動型AIインフラ」

私たちAsset Marsは、単なるサーバー設置ではなく、
“AIが実際に動いて、現場が変わる”仕組みそのものを届けたいと考えています。

そのために、以下のような統合支援を提供しています:

  • 現場ヒアリングを通じたAI活用シーンの特定
  • エッジDC筐体・空調・電力・設置場所の最適設計
  • センサー・カメラとのローカル連携設計
  • AIモデルの実装支援(パートナー連携)
  • 自治体・再エネ調整含む運用体制整備

さらに、PoCフェーズから本導入へのステップ設計も含めて、

  • 「まずは1ラック、まずは1モデルから」
  • 「遠隔地の見守り用途にテスト導入」
  • 「物流センターにセンサー×映像を一括導入」
    といった柔軟なスモールスタート支援も提供しています。

“エッジDC=高価で難しい”というイメージを壊し、
“現場から始めるAI”という現実解を全国に届けていきます。

■ まとめ:クラウドだけでは、もう足りない

AIを使うなら、クラウドだけでは完結しません。

AIが本気を出せるのは、現場のスピードと連動できる場所──それがエッジなのです。

Asset Marsは、エッジDCというインフラをベースに、AIが“使える技術”になるための場所と回路を整えます。センサーの横で、ロボットの近くで、サプライチェーンの現場で──AIが息づくインフラを、全国にひとつずつ構築していきます。

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