小型データセンター構築に必要な検討・整備・実装のすべて
GPU・HBM・チップレットの高密度化で重要になる、TIM・IHS・ヒートスプレッダ・ダイヤモンド材料の見方

AI半導体の性能向上により、先端パッケージの熱設計はますます重要になっています。
GPUやAIアクセラレータでは、演算性能を高めるために、より多くのトランジスタ、より広いメモリ帯域、より高密度なチップ接続が求められます。その結果、2.5Dパッケージ、3Dパッケージ、チップレット、HBM、インターポーザ、CoWoSのような先端実装技術が重要になっています。
しかし、パッケージが高密度になるほど、熱の逃げ道は複雑になります。
従来のように、チップで発生した熱を上方向へ逃がし、ヒートスプレッダやヒートシンクで処理するだけでは、十分に対応できない領域が増えていきます。GPUダイ、HBM、インターポーザ、パッケージ基板、電源部品が近接して配置されることで、局所的なホットスポットや熱干渉が発生しやすくなるためです。
ここで重要になるのが、熱拡散材料です。
熱拡散材料は、発熱源から出た熱を効率よく広げ、冷却部材へ渡す役割を持ちます。TIM、IHS、ヒートスプレッダ、ベーパーチャンバー、ダイヤモンド材料、高熱伝導セラミック、金属複合材料などが関係します。これらは一見すると周辺部材に見えますが、AI半導体では性能、信頼性、冷却設計に直結する重要部材になりつつあります。
先端パッケージ時代の熱対策では、単に「熱伝導率が高い材料」を探せばよいわけではありません。
どこに使う材料なのか。
どの方向へ熱を広げるのか。
どの部材と接触するのか。
熱膨張差に耐えられるのか。
量産プロセスに組み込めるのか。
既存パッケージ構造や冷却方式と適合するのか。
これらを整理しながら、材料とサプライヤーを見ていく必要があります。
先端パッケージで熱が問題になりやすい理由は、発熱源が増え、近づき、熱の逃げ道が限られるからです。
AI半導体では、GPUやAIアクセラレータ単体の発熱が大きくなるだけではありません。HBMのような高帯域メモリを近くに配置し、インターポーザやパッケージ基板を通じて高速に接続するため、パッケージ全体として高密度な熱源になります。
2.5Dパッケージでは、GPUダイとHBMスタックがインターポーザ上に並びます。これは信号伝送やメモリ帯域の面では有利ですが、熱設計では難しさが増します。GPUダイは大きな熱源であり、HBMも高帯域化・高積層化によって熱制約が強まります。両者が近接することで、互いの熱の影響を受けやすくなります。
3Dパッケージでは、さらに難易度が上がります。
複数のダイを縦方向に積層すると、下層や内側のダイは熱を逃がしにくくなります。上面から冷却する場合、上層のダイを通って熱を逃がす必要があり、熱抵抗が増えやすくなります。パッケージ内部で熱がこもると、性能制限、信頼性低下、接合部へのストレスにつながります。
また、先端パッケージでは、熱と機械的応力が同時に問題になります。
チップ、インターポーザ、基板、TIM、ヒートスプレッダ、接合材は、それぞれ熱膨張係数が異なります。温度変化が繰り返されると、接合部や界面に応力がかかり、クラック、剥離、反り、疲労が発生する可能性があります。研究面でも、2.5Dチップレット設計では、熱性能だけでなく、機械的応力や配線長を含めた配置最適化が重要だと指摘されています。
つまり、先端パッケージでは、熱を逃がすだけでなく、熱によって生じる応力や信頼性まで含めて設計する必要があります。
このため、熱拡散材料には、高熱伝導性だけでなく、界面信頼性、熱膨張整合性、加工性、接合性、量産安定性が求められます。
熱拡散材料の役割を理解するには、熱の通り道を見る必要があります。
AI半導体では、発熱源であるGPUダイやロジックダイから、TIM、IHS、ヒートスプレッダ、コールドプレート、液冷システムへと熱が移動します。HBMやインターポーザ周辺では、熱が横方向や下方向にも広がるため、単純な上方向の熱経路だけでは説明しにくくなります。
この熱の通り道の中で、どこかに熱抵抗の大きい部分があると、全体の冷却性能が制約されます。
たとえば、冷却側に高性能なコールドプレートがあっても、チップとヒートスプレッダの間のTIMがボトルネックになれば、熱は十分に移動しません。ヒートスプレッダの面内方向の熱拡散が不足すれば、局所的なホットスポットが残ります。HBMの熱がうまく逃げなければ、GPUが冷えていてもパッケージ全体の性能が制約されます。
熱拡散材料は、このような熱の通り道を整えるための部材です。
TIMは、チップやパッケージとヒートスプレッダの間の隙間を埋め、界面の熱抵抗を下げます。IHSは、チップからの熱をより広い面積へ広げます。ヒートスプレッダは、局所的な熱を面方向へ拡散し、冷却部材へ渡します。ベーパーチャンバーは、相変化を使って熱を広い範囲へ移動させます。ダイヤモンド材料や高熱伝導材料は、局所的な高熱流束を逃がすための候補になります。
重要なのは、材料単体の熱伝導率だけでなく、実際の熱経路の中でどこに置くかです。
同じ材料でも、TIMとして使うのか、IHSとして使うのか、ヒートスプレッダとして使うのか、基板側の熱拡散層として使うのかによって、求められる特性は変わります。厚み、接触圧、表面粗さ、接合方法、熱膨張、電気特性、機械強度、加工性も変わります。
熱拡散材料の探索では、まず用途位置を明確にする必要があります。
TIMは、Thermal Interface Materialの略で、熱源と放熱部材の間に入る熱界面材料です。
半導体パッケージでは、チップとIHS、IHSとヒートシンク、IHSとコールドプレートなど、複数の界面があります。これらの界面には、目に見えない微細な凹凸があり、その隙間に空気が残ると熱抵抗が大きくなります。TIMはその隙間を埋め、熱を効率よく伝える役割を持ちます。
AI半導体では、TIMの重要性が高まっています。
発熱密度が上がるほど、界面の熱抵抗が性能に与える影響は大きくなります。TIMの厚みがわずかに増える、塗布が不均一になる、ポンプアウトが起きる、長期使用で劣化する、といったことがチップ温度の上昇につながります。
TIMには、グリース、ゲル、シート、相変化材料、はんだ系TIM、液体金属TIMなど、さまざまな種類があります。一般的な用途では扱いやすさやコストが重視されますが、AI半導体向けでは熱性能と信頼性の両立が重要になります。
液体金属TIMは、高い熱伝導性を持つ候補として注目されます。一方で、材料適合性、腐食、反応性、取り扱い、電気伝導性、長期信頼性が課題になります。はんだ系TIMも高い熱性能が期待できますが、応力、熱サイクル、界面信頼性を確認する必要があります。
TIM探索で注意すべきなのは、カタログ上の熱伝導率だけで判断しないことです。
実際の性能は、厚み、塗布状態、接触圧、表面粗さ、界面濡れ性、硬化条件、熱サイクル、経年劣化によって変わります。また、半導体パッケージでは、量産時に安定して塗布・組付けできるかも重要です。
したがって、TIMのサプライヤーを探索する場合は、材料物性だけでなく、実装条件、評価データ、量産実績、信頼性試験、既存顧客、認定状況まで確認する必要があります。
IHSやヒートスプレッダは、チップから発生した熱を広い面積へ広げる役割を持ちます。
AI半導体では、発熱が均一ではありません。GPUダイの中でも演算ユニットやメモリインターフェース周辺など、発熱が集中する領域があります。HBMやインターポーザ周辺でも、熱が局所的に発生する可能性があります。このような場合、熱をそのまま上方向へ逃がすだけでは、ホットスポットが残りやすくなります。
ヒートスプレッダは、局所的な熱を面方向へ広げることで、冷却部材へ効率よく渡します。
一般的には銅や銅合金が使われることが多いですが、高密度AI半導体では、より高性能な材料や構造が検討される場合があります。グラファイト系材料、銅複合材料、ダイヤモンド複合材料、ベーパーチャンバー一体型構造などが候補になります。
ただし、ヒートスプレッダでは熱伝導率だけではなく、熱膨張係数も重要です。
シリコン、パッケージ基板、インターポーザ、金属ヒートスプレッダでは、熱膨張の仕方が異なります。高熱伝導だからといって、熱膨張差が大きすぎる材料を使うと、熱サイクル時に応力が増え、反りや接合不良、界面剥離につながる可能性があります。
また、加工性や接合性も重要です。
ヒートスプレッダは、チップやパッケージ形状に合わせて加工され、TIMや接合材を介して組み込まれます。表面平坦性、粗さ、めっき、酸化、接合面の品質、量産加工精度が性能に影響します。
IHSやヒートスプレッダのサプライヤー探索では、材料メーカーだけでなく、加工メーカー、表面処理メーカー、接合技術を持つ企業まで含めて見る必要があります。素材が良くても、加工・接合・量産品質が安定しなければ、先端パッケージ用途では採用されにくくなります。
ベーパーチャンバーは、内部に封入された作動流体の蒸発と凝縮を利用して熱を広げる部材です。
一般的な金属ヒートスプレッダは、材料そのものの熱伝導によって熱を広げます。一方、ベーパーチャンバーは相変化を利用するため、面内方向へ効率よく熱を拡散できる可能性があります。ノートPCや高性能電子機器ではすでに活用されている技術ですが、AI半導体や高密度パッケージでも、局所発熱を広げる選択肢として注目されます。
先端パッケージでベーパーチャンバーを考える場合、単なる冷却部品として後付けするだけではなく、ヒートスプレッダやコールドプレートと一体的に設計する発想が重要になります。
GPUダイのホットスポットを広げる。
HBM周辺の熱を分散する。
コールドプレートへの熱の受け渡しを均一にする。
パッケージ上面の温度むらを抑える。
こうした用途で、ベーパーチャンバー一体型の熱拡散構造が候補になる可能性があります。
ただし、先端パッケージ用途では課題もあります。
ベーパーチャンバーには内部空間、ウィック構造、作動流体、封止、耐圧性、薄型化、信頼性が関わります。パッケージに近い位置で使う場合は、厚み、重量、機械強度、平坦性、接合面の品質、長期密封性が重要になります。
また、半導体パッケージの量産工程にどこまで組み込めるかも課題です。既存のサーバー冷却部品として使う場合と、パッケージに近い熱拡散構造として使う場合では、求められる認定や品質保証のレベルが異なります。
ベーパーチャンバー関連のサプライヤー探索では、単に「ベーパーチャンバーを作れる会社」を探すだけでは不十分です。薄型化、カスタム設計、封止信頼性、高熱流束対応、半導体パッケージ近傍での使用実績、量産対応力を確認する必要があります。
熱拡散材料の中でも、ダイヤモンド材料は高い熱伝導性を持つ候補として注目されます。
CVDダイヤモンドなどの材料は、非常に高い熱伝導率を持ち、局所的な高熱流束を逃がす用途で検討されてきました。Element Sixは、CVDダイヤモンドの熱管理用途について、1000〜2200W/mKの熱伝導率を供給可能と説明しており、RFデバイスなどでピーク温度低減や熱抵抗低減に使われることを示しています。
AI半導体向けでも、発熱密度がさらに上がる領域では、ダイヤモンド系材料が候補になる可能性があります。
特に、ホットスポットが局所化する場合や、従来の銅系ヒートスプレッダでは熱を十分に広げにくい場合、高熱伝導材料によってピーク温度を抑える発想が出てきます。ダイヤモンドは熱伝導性に優れる一方で、電気絶縁性を持つ点も用途によっては魅力になります。
ただし、ダイヤモンド材料には採用上のハードルもあります。
コストが高い。
大面積化が難しい場合がある。
加工が難しい。
接合技術が必要になる。
シリコンや金属との熱膨張差を考える必要がある。
量産供給能力を確認する必要がある。
このため、ダイヤモンド材料は「高性能だからすぐ採用される材料」ではありません。どの用途で、どの面積で、どの熱流束に対して、どのコスト水準なら採用可能なのかを整理する必要があります。
サプライヤー探索では、素材メーカー、加工会社、接合技術を持つ企業、既存採用分野、量産能力、サンプル提供条件を確認することが重要です。RF、パワー半導体、レーザー、宇宙・防衛用途で実績を持つ企業が、AI半導体向けに応用できる可能性もあります。
ダイヤモンド材料は、短期で大量採用される汎用部材というより、先端AI半導体の熱制約が厳しくなるほど調査価値が高まる材料と見るのが現実的です。
AI半導体の先端パッケージで、今後さらに重要になるのがHBM周辺の熱対策です。
HBMは、GPUやAIアクセラレータの近くに配置され、高いメモリ帯域を実現します。AI処理では、演算器だけでなくメモリ帯域が性能を左右するため、HBMはAI半導体の中核部材になっています。
一方で、HBMは熱的には難しい構造です。
複数のDRAMダイを縦方向に積層するため、内部の熱を逃がしにくくなります。GPUダイに近接して配置されるため、周辺からの熱影響も受けます。さらに、今後HBMの積層数が増え、帯域が広がれば、HBM自体の発熱や温度管理も重要になります。
HBM周辺では、熱拡散材料と局所冷却の両方が必要になる可能性があります。
上面から熱を逃がすだけではなく、HBMスタック内やインターフェース周辺の熱をどう扱うかが論点になります。SK hynixのiHBMのように、HBMの発熱源に近い領域へ冷却要素を組み込む発想も出てきており、HBM熱対策は次世代AI半導体の重要テーマになっています。
この領域では、従来のヒートスプレッダだけではなく、より薄型で局所熱を逃がせる材料、HBM構造と干渉しない熱拡散層、インターポーザやパッケージ基板側の熱経路、マイクロ流路や局所液冷との組み合わせも検討対象になります。
HBM周辺の熱対策では、材料単体の性能だけでなく、パッケージ構造との整合性が非常に重要です。
HBMの高さ、GPUダイとの高さ差、IHSとの接触、封止材、アンダーフィル、インターポーザ、基板、信号配線、電源供給、実装応力が絡むためです。熱拡散材料を追加することで、かえって応力や信号品質に影響する可能性もあります。
そのため、HBM向けの熱材料や冷却技術を探す場合は、半導体パッケージ設計に近い視点が必要になります。
先端パッケージ向けの熱拡散材料を探す場合、まず材料カテゴリを分けて整理することが重要です。
一口に熱拡散材料といっても、TIM、IHS、ヒートスプレッダ、ベーパーチャンバー、ダイヤモンド材料、グラファイト系材料、金属複合材料、セラミック材料、接合材料では、用途も評価項目もサプライヤー層も異なります。
TIMのサプライヤーであれば、熱伝導率、界面熱抵抗、厚み制御、塗布性、ポンプアウト耐性、信頼性試験、量産実績を見る必要があります。
IHSやヒートスプレッダのサプライヤーであれば、材料、熱伝導率、熱膨張係数、加工精度、表面処理、平坦性、接合性、量産加工能力を見る必要があります。
ベーパーチャンバーのサプライヤーであれば、薄型化、高熱流束対応、封止信頼性、作動流体、ウィック構造、カスタム設計能力、半導体近傍用途への対応力を見る必要があります。
ダイヤモンド材料のサプライヤーであれば、CVD成膜能力、サイズ、厚み、熱伝導率グレード、加工、表面仕上げ、接合技術、コスト、量産性を見る必要があります。
このように、材料カテゴリごとに確認項目を分けることで、サプライヤー探索の精度が上がります。
逆に、カテゴリを分けずに「高熱伝導材料を探す」という進め方をすると、候補は集まっても評価できない状態になりやすくなります。サンプルを取得しても、どの用途に使う前提なのか、何を合格基準にするのかが曖昧なままでは、次のステップに進みにくくなります。
サプライヤー探索では、まず用途仮説を置き、その用途に必要な材料カテゴリを決め、評価項目を整理してから候補企業を探すことが重要です。
熱拡散材料の調査では、カタログ値の比較だけでは不十分です。
熱伝導率、耐熱温度、硬度、熱膨張係数、絶縁性、密度などの物性値は重要です。しかし、実際の先端パッケージでは、材料がどのように実装され、どの界面で使われ、どの温度・圧力・応力条件に置かれるかによって性能が変わります。
たとえば、TIMでは、バルクの熱伝導率が高くても、界面での濡れ性や厚み制御が悪ければ、実効熱抵抗は下がりません。ヒートスプレッダでは、材料そのものの熱伝導率が高くても、接合面の平坦性やTIMとの相性が悪ければ、効果は限定的になります。ダイヤモンド材料では、高熱伝導性が魅力でも、接合技術や熱膨張差の問題が残れば、採用は難しくなります。
先端パッケージ向け材料では、以下のような実装条件を確認する必要があります。
使用位置
接触する相手材
必要な厚み
接合方法
表面粗さ
接触圧
熱膨張差
電気絶縁性の必要性
熱サイクル条件
量産プロセスとの適合性
リワーク可否
長期信頼性
これらを見ずに材料を比較すると、実際の採用判断とずれます。
特にAI半導体では、性能向上のスピードが速いため、材料評価も将来世代を見据える必要があります。現在の発熱条件では十分でも、次世代GPU、HBMの高積層化、3Dパッケージ化が進むと、求められる熱拡散性能は変わります。
そのため、サプライヤー探索では、現在のスペックだけでなく、ロードマップ対応力も確認した方がよいです。
先端熱拡散材料のサプライヤー探索では、サンプル手配が重要な入口になります。
ただし、サンプルを取り寄せる前に、評価目的を明確にしておく必要があります。目的が曖昧なままサンプルを取得すると、比較はできても採用判断につながりにくくなります。
たとえば、TIMであれば、単純な熱伝導率比較をしたいのか、実装時の界面熱抵抗を見たいのか、熱サイクル後の劣化を見たいのか、塗布性や量産性を見たいのかによって、必要なサンプル形態が変わります。
ヒートスプレッダであれば、素材板材でよいのか、実際のパッケージ寸法に近い加工品が必要なのか、表面処理やめっきまで必要なのかを決める必要があります。
ベーパーチャンバーであれば、標準品ではなく、想定発熱面積や厚みに合わせたカスタムサンプルが必要になる場合があります。
ダイヤモンド材料であれば、素材単体の確認だけでなく、接合済みサンプルや加工済みサンプルが必要になる場合があります。
サンプル手配では、以下の点を事前に整理しておくと進めやすくなります。
想定用途
使用位置
比較対象となる既存材料
評価したい特性
必要なサンプル形状
数量
評価方法
合格基準
次の評価ステップ
秘密保持の必要性
先端材料では、サンプル価格が高い、納期が長い、開示情報が限られる、用途制限がある、NDAが必要になるといったこともあります。サプライヤー側も、用途が曖昧な依頼には積極的に対応しにくい場合があります。
そのため、サンプル依頼の段階で、用途仮説と評価項目を整理して伝えることが重要です。
熱拡散材料の探索では、良い材料が見つかることと、採用されることは別です。
半導体パッケージ向け材料では、認定までの距離が長くなる場合があります。特にAI半導体のように高額で高信頼性が求められる用途では、材料を変更すること自体が大きなリスクになります。
認定では、熱性能だけでなく、信頼性、量産性、工程適合性、供給安定性が見られます。
初期評価では良い結果が出ても、温度サイクル、湿熱、長期通電、機械的応力、パワーサイクル、リフロー、保管、輸送、量産ばらつきで問題が出る可能性があります。半導体パッケージでは、材料変更が歩留まりや信頼性に影響するため、採用には慎重な評価が必要になります。
また、誰が認定するのかも重要です。
OSATなのか。
パッケージメーカーなのか。
半導体メーカーなのか。
サーバーOEMなのか。
最終顧客であるクラウド事業者なのか。
材料の使用位置によって、関係者は変わります。TIMやIHSのようにパッケージに近い部材であれば、半導体メーカーやパッケージ工程側の評価が重要になります。コールドプレートに近い熱拡散部材であれば、サーバーOEMや冷却ベンダーの評価も関係します。
サプライヤー探索では、候補材料の性能だけでなく、採用までの意思決定構造を確認する必要があります。
どの企業が仕様を決めるのか。
どの工程で評価されるのか。
既存サプライヤーは固定されているのか。
新規材料を入れる余地はあるのか。
量産採用ではなく、研究開発用途から入れるのか。
この見極めがないと、技術的に面白い材料を見つけても、事業化にはつながりにくくなります。
先端パッケージ向け熱拡散材料では、日本企業にも入り込める余地があります。
日本には、金属材料、セラミック材料、化学材料、接合材料、精密加工、表面処理、電子部品、半導体装置部材に強い企業が多くあります。AI半導体向けの最終チップやGPUそのものでは主導権を取りにくくても、周辺部材や材料、加工、評価支援の領域では機会があります。
特に、以下のような領域は日本企業との相性があります。
高熱伝導材料
セラミック放熱部材
金属複合材料
TIM関連材料
めっき・表面処理
精密加工
接合材料
熱評価・信頼性評価
半導体装置向け材料技術の応用
ただし、日本企業が入り込むには、材料単体の強みをAI半導体の課題に接続する必要があります。
「高熱伝導材料を作れます」だけではなく、どのパッケージ課題に使えるのか、HBM周辺なのか、IHSなのか、コールドプレートとの接続部なのか、TIMなのか、ベーパーチャンバー構造なのかを明確にする必要があります。
また、海外サプライヤーの探索も重要です。
液体金属TIM、CVDダイヤモンド、マイクロ流路冷却、先端ベーパーチャンバー、特殊熱拡散材料などでは、海外スタートアップや専門企業が先行している場合があります。日本企業がそれらを直接見つけ、評価し、サンプルを取得し、比較するには手間がかかります。
この領域では、国内外の技術・サプライヤーを横断して調べる役割に価値があります。
株式会社Asset Marsでは、AI半導体、先端パッケージ、GPUサーバー、液冷部材、先端熱材料に関する調査・アドバイザリーおよび供給元探索を支援しています。
先端パッケージ時代の熱対策では、TIM、IHS、ヒートスプレッダ、ベーパーチャンバー、ダイヤモンド材料、高熱伝導材料、HBM周辺冷却など、複数の材料・部材を横断して整理する必要があります。これらの領域では、技術動向だけでなく、主要プレイヤー、サプライチェーン、サンプル取得、認定までの距離を確認することが重要になります。
当社では、対象用途に応じて、熱拡散材料のカテゴリ整理、候補サプライヤーの探索、国内外企業の比較、サンプル手配に向けた情報整理、評価項目の初期整理を支援します。
当社の支援は、特定材料の採用、認定取得、量産供給、性能保証を約束するものではありません。あくまで、初期段階において「どの熱拡散材料を調査すべきか」「どのサプライヤーを確認すべきか」「どの評価項目が必要か」「次にどのようなサンプル評価や相談を進めるべきか」を整理するための支援です。
AI半導体向けのTIM、IHS、ヒートスプレッダ、ダイヤモンド材料、ベーパーチャンバー、HBM周辺冷却材料などの調査やサプライヤー探索を検討されている場合は、まずは情報交換からご相談ください。