ESG時代のDC運営と評価指標とは?

“脱炭素”で選ばれるデータセンターへ

Date Icon
Jul 9, 2025

■ なぜ今、データセンターにも“脱炭素”が求められているのか?

「再エネはコストが高い」「電力効率より安定稼働が大事」そんな価値観が当たり前だった時代は、もう終わりました。いま、世界中で進むESG経営の波が、データセンター業界にも押し寄せています。電力消費が膨大なDC(データセンター)は、そのエネルギー起源が「化石燃料か、再エネか」によって、企業全体の評価に直結するようになったのです。

特に、RE100やCDPといった国際イニシアチブに参加する企業にとって、「自社だけでなく、利用するインフラの脱炭素度」までが投資家や顧客からの注目対象になっています。「環境に配慮したDCを使っているか」それ自体が、企業のESGスコアを左右する時代になったのです。

■ “グリーンDC”が選ばれる理由

環境性能の高いDCを選ぶ動機は、もはや「CSRの一環」ではありません。以下のような“実益”が絡み合い、企業活動に不可欠な選択肢になりつつあります。

  • 投資家や取引先からのサプライチェーン排出量報告義務(Scope3対応)
  • 企業IRでの非財務指標(GHG排出量・PUE等)開示圧力
  • カーボンニュートラル目標の実現手段としてのグリーンIT化
  • RE100対応に向けた再エネ調達と証書活用

一部の業種では、「化石燃料ベースのDCを使っているだけで入札条件に合致しない」という事例も出始めています。
脱炭素に本気で取り組んでいる企業は、「使うDC」までを真剣に選ぶようになったのです。

■ ESG評価のために何を整えるべきか?

ESGに応えるDC運営は、単に太陽光パネルを設置するだけではありません。実際には以下のような多面的な指標がチェックされます。

電力効率(PUE)の継続改善

空調の最適化、コンテインメント導入、ラック配置の見直しなどを通じて、「1kWのサーバー稼働に何kWの電力が使われているか」を常に改善。

再エネ比率の明示

どれだけの電力を再生可能エネルギーで賄っているかを明確に。オフサイトPPAや非化石証書、J-クレジット等の併用で柔軟に対応。

ピークカット・省エネ設備の導入

デマンド制御、蓄電池連携などによってピーク電力を抑制し、送電網への負荷も低減。災害時のレジリエンス向上にも貢献。

外部認証・透明性の担保

LEEDやZEB、グリーンボンド適格性認定などを取得し、第三者視点での“環境価値”を示す。企業IR資料にも活用可。こうした評価指標は、ESGだけでなく“使いやすさ”や“信頼性”の裏付けにもなります。

■ Asset Marsの考える「次世代DCの条件」

私たちAsset Marsは、データセンターを「ただの箱」ではなく、“企業価値の一部を構成するインフラ”として再定義しています。

  • 脱炭素対応に優れた立地の選定(再エネポテンシャル・電力連携)
  • グリーン電源の導入設計(自営線・PPA・蓄電池)
  • 温度・気流最適化の設計支援
  • ESG報告に必要な運用データの取得・可視化

これらすべてを、一つの設計思想のもとに統合していくことで、
「使う側が誇れるデータセンター」を実現していきます。

■ まとめ:評価されるDCを“今から”作る

ESGの視点で評価されるDCは、これからの時代における“標準仕様”となります。選ばれるインフラになるために。評価される企業と並走するために。Asset Marsは、ESGの視点から新しいDCのかたちを提案していきます。

関連キーワード:ESGデータセンター、脱炭素ITインフラ、PUE改善、再エネDC、RE100対応、Scope3削減、ZEBデータセンター、サステナブルDC、非化石証書、バイオ燃料発電、GX政策、環境認証、グリーンボンド、データセンター選定基準